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整形外科3

硬膜外ブロックについて
「腰のブロック注射をして下さい」とか、「腰のブロック注射を他の病院でしてもらった」など患者さんに言われることがあるのですが、患者さんの言う「ブロック注射」は、実は「トリガーポイント注射」であることが多いです。
「トリガーポイント」とは押して痛い場所のことで、そこに直接麻酔薬を打つのを「トリガーポイント注射」と言い、ブロック注射ではありません。
トリガーポイント注射は腰痛や肩こりには有効ですが、神経痛(下肢のしびれや疼痛)には無効です。
神経痛には「硬膜外ブロック」が有効で、これが本当の「ブロック注射」です。
「硬膜外ブロック」は椎間板ヘルニアによる下肢痛に特に有効で、内服薬で下肢痛が治らない時に行います。
普通なら手術になるようなひどい症例でも「硬膜外ブロック」で軽快し手術を免れることも多いです。
「硬膜外ブロック」を数回行って良くならなければ手術なる可能性が大です。
方法は図の通り。
まず自分のお尻を触ってみて下さい。図の模型の仙骨裂孔という穴を触れるはずです(尾てい骨の付け根の1〜2cm頭側)。
少し腰をかがめると触りやすくなります。
太った人では難しいかも知れません。
この穴は硬膜外腔という、神経(模型の黄色のところ)を囲む組織につながっています。
この穴にキシロカインという麻酔薬を入れると、硬膜外腔を伝わって麻酔薬が上に行き、黄色い神経組織に届き、神経が麻酔され、炎症が収まります。
ブロック後30分はベッド上で休んでもらいますが、その後は神経痛が楽になります。
週に1回、4〜5回繰り返すと神経痛が治ることが多いです。

特徴として
1腰痛には効かない。神経痛に効く。
2硬膜外腔の形状には個人差があり、効果にばらつきがある。
3太った人では仙骨裂孔を探すのが難しい。
4仙骨裂孔の表面は靭帯で覆われていて、硬くて針が通らないことがある。
5腰部脊柱管狭窄症には効かないことが多い(腰部脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアでは病態が異なる)。
6血圧が高い人はブロック後に血圧が下がりやすい。
7一般に、70代以上の高齢者には行わない。
まずは正しい診断(椎間板ヘルニアか腰部脊柱管狭窄症か)が大切ですから、神経痛(下肢のしびれや疼痛)のある人は早めに受診して下さい。
2025/2/6 記載

関節リウマチ
代表的な症状は「朝起きてから手や指が動かしにくく、こわばっている」「指の関節が痛い」などです。以前は中年以降の女性に多かったのですが、最近では70代で発症する例が増えています。変形性関節症では指の関節がゴツゴツと硬いのに対して、リウマチでは「ぶどうの房」のようにブヨブヨと柔らかいのが特徴です。治療はメソトレキセートなどの内服を行います。以前は、指が変形したリウマチ患者さんがとても多かったのですが、最近では外見でリウマチ患者さんと分かる人は殆どいません。10年程前からメ ソトレキセートが保険適応になり、関節破壊を食い止めてくれているお陰です。

痛風
痛風はかつては豊かな生活をしている富裕層にしかなかった病気ですが、今の豊かな日本では、誰でもがなり得る病気です。痛風発作は足の親指の付け根に激しい痛みを伴うのが特徴ですが、足以外にも、膝や手にも起こることがあります。痛風発作は血中尿酸値が急激に上昇、あるいは低下した場合に起こります。夏にゴルフで汗をかき、ビールを飲んだ翌日に起こることが多いです。焼酎なら大丈夫と思っている人が多いのですが、そうではなくて、全体のアルコール量が問題です。
尿酸値を高いまま放置すると痛風発作を繰り返すだけでなく、腎機能低下により人工透析が必要になることもあり、尿酸下降薬の内服を継続することが必要です。高脂血症を伴うことも多く、それにより心筋梗塞を起こす危険もあります。

下肢のむくみ
下肢のむくみの原因として、心不全、静脈瘤による循環障害や血栓症、リンパ浮腫、リリカや降圧剤(カルシウム拮抗剤)の副作用が考えられます。

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